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◆ dgees()
void dgees |
( |
char |
jobvs, |
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char |
sort, |
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int(*)(double, double) |
select, |
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int |
n, |
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int |
lda, |
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double |
a[], |
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int * |
sdim, |
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double |
wr[], |
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double |
wi[], |
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int |
ldvs, |
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double |
vs[], |
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double |
work[], |
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int |
lwork, |
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int |
bwork[], |
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int * |
info |
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) |
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(シンプルドライバ) シュール分解 (一般行列)
- 目的
- 本ルーチンは n x n 一般実行列 A の固有値, 実シュール形 T, および, 必要によりシュールベクトルからなる行列 Z を求める. これらにより, シュール分解 A = Z*T*Z^T が与えられる.
また, 必要により, 選択された固有値が左上にくるように固有値を実シュール形の対角要素上に並べる. その結果 Z の先行する側の列は選択された固有値に対応する不変部分空間の正規直交基底を形成する.
行列が 1 x 1 および 2 x 2 ブロックよりなる準上三角行列であれば実シュール形である. 2 x 2 ブロックは次の形式に標準化できる. ここで, b*c < 0 である. このようなブロックの固有値は a±sqrt(bc) である.
本ルーチンははじめに行列 A を上ヘッセンベルグ形に変換し, 次にQR法により固有値およびシュール分解を求める.
- 引数
-
[in] | jobvs | = 'N': シュールベクトルを求めない.
= 'V': シュールベクトルを求める. |
[in] | sort | シュール形の対角要素上の固有値の並べ替えを行うかどうか指定する.
= 'N': 固有値の並べ替えを行わない.
= 'S': 固有値の並べ替えを行う (select を参照のこと). |
[in] | select | sort = 'S': シュール形の左上にくるように並べ替える固有値を選択するために select が使われる.
select(wr[j], wi[j]) が true (= 1) であれば, 固有値 wr[j]±wi[j]*i が選択される. すなわち, 固有値の複素共役対のうち一つが選択されれば両方の複素固有値が選択される.
並べ替え後, 選択された複素固有値は select(wr[j], wi[j]) = true を満たさなくなるかもしれないことに注意せよ. これは, 並べ替えによって複素固有値の値が変わる可能性があるからである(特に, 固有値が悪条件の場合). この場合, info = n+2 に設定される(下の info を参照のこと).
sort = 'N': select は参照されない. |
[in] | n | 行列 A の行および列数. (n >= 0) (n = 0 の場合, 処理を行わずに戻る) |
[in] | lda | 二次元配列 a[][] の整合寸法. (lda >= max(1, n)) |
[in,out] | a[][] | 配列 a[la][lda] (la >= n)
[in] n x n 行列 A.
[out] a[][] はその実シュール形 T で上書きされる. |
[out] | sdim | sort = 'N': sdim = 0.
sort = 'S': sdim = select が true であった固有値(並べ替え後)の数. (どちらかの固有値について select が true であった複素共役対は 2 とカウントする) |
[out] | wr[] | 配列 wr[lwr] (lwr >= n) |
[out] | wi[] | 配列 wi[lwi] (lwi >= n)
求められた固有値がシュール形 T の出力の対角要素に現れるのと同じ順で, wr[] および wi[] に求められた固有値のそれぞれ実数部および虚数部が入る. 複素共役対の固有値は, 虚数部が正の固有値を先頭に, 続けて現れる. |
[in] | ldvs | 二次元配列 vs[][] の整合寸法. (ldvs >= 1 (jobvs = 'N'), ldvs >= n (jobvs = 'V')) |
[out] | vs[][] | 配列 vs[lvs][ldvs] (lvs >= n)
jobvs = 'V': vs[][] にシュールベクトルからなる直交行列 Z が入る.
jobvs = 'N': vs[][] は参照されない. |
[out] | work[] | 配列 work[lwork]
作業領域.
info = 0 の場合, work[0] に lwork の最適値を返す. |
[in] | lwork | 配列work[]のサイズ. (lwork >= max(1, 3*n))
一般にパフォーマンスをよくするためには lwork を大きくしなければならない.
lwork = -1 の場合, 作業領域サイズの問い合わせとみなし, 最適サイズを求める計算だけを行い, work[0] にその値を返す. |
[out] | bwork[] | 配列 bwork[lbwork] (lbwork >= n)
論理型(整数)作業領域.
sort = 'N' の場合, 参照されない. |
[out] | info | = 0: 正常終了
= -1: 入力パラメータ jobvs の誤り (jobvs != 'V' および 'N')
= -2: 入力パラメータ sort の誤り (sort != 'S' および 'N')
= -4: 入力パラメータ n の誤り (n < 0)
= -5: 入力パラメータ lda の誤り (lda < max(1, n))
= -10: 入力パラメータ ldvs の誤り (ldvs が小さすぎる)
= -13: 入力パラメータ lwork の誤り (lwork が小さすぎる)
= i (0 < i <= n): QRアルゴリズムが失敗しすべての固有値を求めることはできなかった. wr[] および wi[] の要素 0〜ilo-2 および i〜n-1 には収束した固有値が入る. jobvs = 'V' であれば, 部分的に収束したシュール形に A を変換する行列が vs[][] に入る.
= n+1: 一部の固有値が近すぎて分離できないため固有値の並べ替えができなかった(問題が非常に悪条件である).
= n+2: 並べ替え後, 丸め誤差により値が変わった複素固有値があり, シュール形の先頭のいくつかの固有値が select = true を満たさなくなった. これはスケーリングによるアンダーフローでも起こりうる. |
- 出典
- LAPACK
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