1. 例題ワークシートの入手と使用方法

例題ワークシートの入手

XLPack 入門編で使用されている例題を実際に使用したい方のために例題ワークシートを下記で公開しています.

 
(別タブで開きます)


参考 – より多くの機能を使用したサンプル・ワークシートを下記で公開していますので, こちらもご利用ください.
ダウンロード の「サンプルワークシート」をご覧ください.


例題ワークシート使用の前に

例題ワークシートを使用するために必要な環境は次の通りです.

  • Windows 10 (バージョン 2004 以降) または Windows 11 を使っていること
  • Office 365, 2021, 2019, 2016 または 2013 の Excel がインストールされていること

これらが満たされていれば ユーザーガイド の次の項目に従って必要ソフトのインストールおよび設定を行います.

  • XLPack Basic のインストール (ユーザーガイド 3 項)
  • アドインの組み込み (ユーザーガイド 5 項の「アドインの組み込み」)

以上で準備完了です.

例題ワークシートの使用方法

例題ブックの構成

例題ブックには 3 種類の例題ワークシートが入っています. すなわち, ワークシート関数を使用したワークシート, VBAプログラムを使用したワークシート, そして, ソルバーを使用したワークシートです.

ワークシート名は「Ex + 数字 + 記号」となっています. 数字は本入門編の章番号です. 記号は, W はワークシート関数を使用したもの, S はソルバーを使用したものを表します. 記号がないものはVBAプログラムを使用したものを表します.

例.

Ex2 – 「2. 連立一次方程式」の例題で VBA プログラムを使用したワークシート
Ex2W – 「2. 連立一次方程式」の例題でワークシート関数を使用したワークシート
Ex8S – 「8. 非線形連立方程式」の例題でソルバーを使用したワークシート

VBAプログラムが入っている標準モジュール名は「Ex + 数字」となっています. 数字は章番号です.

ワークシート関数を使用した例題ワークシートの使用法

「2. 連立一次方程式」の例を使って説明します.


例題

次の連立一次方程式を解く.

  
  10x1 - 7x2 = 7
  -3x1 + 2x2 + 6x3 = 4
  5x1 - x2 + 5x3 = 6

 
これは, 行列で表すと次のようになります.

  
  Ax = b

 
ただし,

  
      ( 10 -7  0 )        ( 7 )        ( x1 )
  A = ( -3  2  6 ),   b = ( 4 ),   x = ( x2 )
      (  5 -1  5 )        ( 6 )        ( x3 )

 
ここで, A は係数行列, b は右辺ベクトル, x は解ベクトルです.


例題ワークシートでは, オレンジ色のセルはデータ(場合によっては式)を入力することを表し, 緑色のセルにはワークシート関数を入力することを表します.

公開されている例題ワークシートでは緑色のセルにワークシート関数を入力済ですが, ここでは最初から説明します.

まず, ワークシートの適当な場所に係数行列 A と右辺ベクトル b のデータを入力します(オレンジ色のセル). そして, 解ベクトルを入れる場所として(解の要素数 + 2)個のセルを選択します(緑色のセル).

ここで, 数式バーの fx をクリックすると, 使用する関数を聞かれるので, 関数の分類 XLPack より WDgesv を選択します.

必要なパラメータ(N, A, B, Nrhs)の入力を要求されるので, それぞれに適切な値を入力します. N には要素数(この例では 3), A には係数行列 A の範囲, B には右辺ベクトル b の範囲を入力します. 右辺ベクトルは複数本入力することができ, Nrhs にはその本数を入力します. Nrhs は入力を省略することができ, その場合は 1 とみなされます.

入力が終了したら Ctrl + Shift + Enter を押します.

これで, 解 X = (0 -1 1)T が求められました. なお, 表示されている 0.078283 は条件数の推定値の逆数, 一番下の 0 はリターンコード(正常終了を示す)です. X の場所を2つ余計に確保したのはこれらを表示させるためですが, 余計な場所は確保しなくても構わなくて(この例では 3 セルだけ選択すればよい), その場合には解だけが表示されます.

VBAプログラムを使用した例題ワークシートの使用法

上と同様に「2. 連立一次方程式」の例を使って説明します.

オレンジ色のセルはデータ(場合によっては式)を入力することを表し, 緑色のセルは VBA プログラムが書き込むセルを表します.

プログラムは標準モジュール Ex2 に入っています.

プログラムを実行するためには「開発」「マクロ」をクリックして Ex2.Start を選び「実行」をクリックします. なお, ボタン「Start」には Start マクロが登録されています. これをクリックして実行を開始することもできます.

緑色のセルに結果が書き込まれます.

ボタン「Clear」には緑色のセルをクリアするマクロが登録されています.

ソルバーを使用した例題ワークシートの使用法

「8. 非線形連立方程式」の例を使って説明します.


例題

次の非線形連立方程式を解く.

  
  f1(x1, x2) = 4x12 + x22 - 16 = 0
  f2(x1, x2) = x12 + x22 - 9 = 0


オレンジ色のセルはデータ(場合によっては式)を入力することを表し, 緑色のセルはソルバーが書き込むセルを表し, 青色のセルはソルバーのパラメータの保存領域を表します.

セル A5, B5 は, それぞれ変数 x1, x2 として使用することにします. セル B9 には第1式(=4*B8^2+C8^2-16), C9 には第2式(=B8^2+C8^2-9)を入力しておきます.

「アドイン」「XLPack ソルバー」から「非線形連立方程式」をクリックします.

「保存/読込(S)」をクリックします.

青色のパラメータの保存領域を選択し, 「読込」をクリックします

必要なパラメータがソルバーに設定されます.

「計算開始」をクリックすると, 緑色のセルに結果が書き込まれます.