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◆ dsytrf()
void dsytrf |
( |
char |
uplo, |
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int |
n, |
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int |
lda, |
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double |
a[], |
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int |
ipiv[], |
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double |
work[], |
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int |
lwork, |
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int * |
info |
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) |
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係数行列のUDUTまたはLDLT分解 (対称行列)
- 目的
- 本ルーチンはBunch-Kaufmanの対角ピボット法を用いて対称行列Aの分解を計算する. 分解は次の形式である.
A = U*D*U^T or A = L*D*L^T
ここで, U(またはL)は置換行列と対角要素が1の上(または下)三角行列の積, そして, Dは1×1または2×2対角ブロックよりなる対称なブロック対角行列である.
本ルーチンはLevel 3 BLASを呼び出すブロック版のアルゴリズムを使用する.
- 引数
-
[in] | uplo | = 'U': Aの上三角部分を格納.
= 'L': Aの下三角部分を格納. |
[in] | n | 行列Aの行および列数. (n >= 0) (n = 0 の場合, 処理を行わずに戻る) |
[in] | lda | 二次元配列a[][]の整合寸法. (lda >= max(1, n)) |
[in,out] | a[][] | 配列 a[la][lda] (la >= n)
[in] n×n対称行列 A. uploに従い上三角部分あるいは下三角部分が参照される.
[out] UまたはLを得るために使われるブロック対角行列Dおよび乗数 (詳細は下記参照). |
[out] | ipiv[] | 配列 ipiv[lipiv] (lipiv >= n)
行および列の交換とDのブロック構造の情報.
ipiv[k-1] > 0であれば, 第k行および列が第ipiv[k-1]行および列と交換され, Dの第k対角が1×1対角ブロックであることを表す.
uplo = 'U'でipiv[k-1] = ipiv[k-2] < 0であれば, 第k-1行および列が第-ipiv[k-1]行および列と交換され, Dの第k-1対角が2×2対角ブロックであることを表す.
uplo = 'L'でipiv[k-1] = ipiv[k] < 0であれば, 第k+1行および列が第-ipiv[k-1]行および列と交換され, Dの第k対角が2×2対角ブロックであることを表す. |
[out] | work[] | 配列 work[lwork]
作業領域.
info = 0 の場合, work[0]にlworkの最適値を返す. |
[in] | lwork | 配列 work[]のサイズ (lwork >= 1)
最大パフォーマンスのためには lwork >= n*nb とせよ. ただし, nbは最適ブロックサイズである.
lwork = -1 の場合, 作業領域サイズの問い合わせとみなし, 最適サイズを求める計算だけを行い, work[0]にその値を返す. |
[out] | info | = 0: 正常終了
= -1: 入力パラメータ uplo の誤り (uplo != 'U'および'L')
= -2: 入力パラメータ n の誤り (n < 0)
= -3: 入力パラメータ lda の誤り (lda < max(1, n))
= -7: 入力パラメータ lwork の誤り (lworkが小さすぎる)
= i > 0: Dのi番目の対角要素が0である. 分解を完了したがブロック対角行列Dが特異であり, 連立方程式の解の計算に使用すると0による除算が発生する. |
- 詳細
- uplo = 'U'の場合, A = U*D*U^T である. ただし,
U = P(n)*U(n)* ... *P(k)U(k)* ...,
である. すなわち, Uは項P(k)*U(k)の積である. ここで, kは1あるいは2ごとにnから1までとする. Dはブロック対角行列で, 1×1あるいは2×2対角ブロックよりなる. P(k)はipiv[k-1]により定義される置換行列である. U(k)は対角要素が1の上三角行列であり, 対角ブロックD(k)の次数をs(s = 1あるいは2)とすると次のようになる. ( I v 0 ) k-s
U(k) = ( 0 I 0 ) s
( 0 0 I ) n-k
k-s s n-k
s = 1の場合, D(k)がa[k-1][k-1]を上書きし, vがa[k-1][0〜k-2]を上書きする.
s = 2の場合, D(k)の上三角部分がa[k-2][k-2], a[k-1][k-2]およびa[k-1][k-1]を上書きし, vがa[k-2〜k-1][0〜k-3]を上書きする.
uplo = 'L'の場合, A = L*D*L^T である. ただし, L = P(1)*L(1)* ... *P(k)*L(k)* ...,
である. すなわち, Lは項P(k)*L(k)の積である. ここで, kは1あるいは2ごとに1からnまでとする. Dはブロック対角行列で, 1×1あるいは2×2対角ブロックよりなる. P(k)はipiv[k-1]により定義される置換行列である. L(k)は対角要素が1の下三角行列であり, 対角ブロックD(k)の次数をs(s = 1あるいは2)とすると次のようになる. ( I 0 0 ) k-1
L(k) = ( 0 I 0 ) s
( 0 v I ) n-k-s+1
k-1 s n-k-s+1
s = 1の場合, D(k)がa[k-1][k-1]を上書きし, vがa[k-1][k〜n-1]を上書きする.
s = 2の場合, D(k)の上三角部分がa[k-1][k-1], a[k][k-1]およびa[k][k]を上書きし, vがa[k-1〜k][k+1〜n-1]を上書きする.
- 出典
- LAPACK
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